目的
2つのコクランレビューでは、ダブルグローブの異なる側面を評価しました。
- 手袋の保護層を追加することでがアンダーグローブの穿孔を減らせるか1。
- 手袋を追加することが、手術中の針刺しによるケガを防ぐことに臨床的に有意な違いがあるか。また、ダブルグローブが医療従事者の手技(操作性)に悪影響を与えるか2。
手法
- Tanner et al, 2006は、シングルグローブ、ダブルグローブ、および色付きの穿孔表示システム搭載のグローブを比較しました。これには、グローブの穿孔を測定する31のランダム化比較試験も含まれます1。
- 2014年のレビューでは、手袋の異なる層数(シングル、ダブル、トリプル)について検証され2、手袋の穿孔を測定した34件のランダム化比較試験が含まれています。
- このレビューでは更に、4つの手袋装着方法や種類(グローブライナー、布製オーバーグローブ、スチール織りオーバーグローブ、トリプルグローブ)についても論じられています2。
- 危険性については穿孔と針刺し損傷(自己申告)の数、操作性については自己申告と穿孔率2を用いて測定されました。

Tanner et al 2006より引用
結果
タナ―・レビューでは、10件の研究内容をとおしてシングルグローブとダブルグローブの穿孔率について系統的にレビューされ、ダブルグローブがアンダーグローブの穿孔防止に有意に効果的であることが証明されました。シングルグローブの穿孔率が11パーセントだったのに対し、ダブルグローブでのアンダーグローブ穿孔率は3%でした。1
また、バイオジェル®インディケーター®システムでは、より有意に多くの穿孔が検出されました。1
ミシュケらは、ダブルグローブがアンダーグローブ穿孔のリスクを大幅に減少させることも示しました。2 シングルとダブルでオーバーグローブの穿孔に有意差はなく、ダブルグローブでも操作性が失われないことも示されています。
これら2つのシステマティックレビューのエビデンスは、ダブルグローブが血液汚染とアンダーグローブの穿孔に対してより優れた防護性を備えていることを裏付けています。2
